研究概要 |
現在,我が国の学校は週6日制から5日制への移行途中にある。この週5日制への移行は,子どもの生活時間,特に土曜日の生活時間配分に変容をもたらせようとしている。移行期間である現在は,生活時間配分のみならず1日の活動も登校土曜日と休業土曜日によって全く異なるものとなっている。本研究では,こうした学校週5日制への移行期にある今日の中学生の生活に焦点をあて,ふたつの土曜日の生活がいかに異なっているか,生活時間,生活行動,翌日曜日と月曜日への影響,さらに学校運動部活動とスポーツ観について明らかにすることを目的として研究を行った。前年度は,北陸3県を調査対象地域として教育委員会調査を実施し,そこから得られた教育区委員会の休業土曜日の学校スポーツに対する対応から調査地域を選定し,1中学校2年生を対象に予備調査を実施した。 本年度は,予備調査結果を基にして調査内容を再検討し,中学生の生活時間配分,スポーツ活動実施状況,余暇観,スポーツ観,集団帰属意識を内容とする調査票を作成して,富山県高岡市,石川県七尾市,福井県勝山市の中学校2年生を対象として調査を実施した。調査の結果,10校1017名から回答を得た。現在は調査票の点検・データ入力の作業中である。この調査から次のような結果が示されると考えている。(1)学校運動部でスポーツ活動を行っている生徒が,土曜日の生活において「ゆとり」を持って生活するための十分な自由裁量時間を確保できているか。(2)休業土曜日の生活において,登校土曜日には確保が困難と予想される各種の自律的な諸活動を家庭や地域社会において実施できているか。(3)学校スポーツを実施していない生徒にとって,休業土曜日がスポーツ活動を実施する場と機会の提供に有効に機能しているか。
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