研究課題/領域番号 |
09780089
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
楠原 慶子 東京女子大学, 文理学部, 助手 (90214957)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 骨密度 / 閉経後女性 / 運動 / 運動期間 / 縦断的変化 / 中高年齢女性 / 運動習慣 |
研究概要 |
閉経前からのクラシックバレエを始めとする各種舞踊の長期実践が、閉経後の女性の骨代謝に及ぼす影響、および動作特性と骨代謝との関連を明かにするために、10年以上のクラシックバレエ、ジャズダンス、フォークダンス実践者を対象に骨量、骨密度を測定した。骨密度の測定は、運動に対する骨代謝の経年的変化を明らかにするために、二年間を隔てて2回実施した。この他、骨密度評価の指標として脚伸展力、背筋力等の筋力測定を実施した。さらに運動の影響を検討するために、年齢でマッチした非活動群(コントロール群)の骨量、骨密度、筋力測定も実施した。その結果、1)バレエ群の骨量、腰椎、大腿骨骨密度は、ジャズ、フォーク群よりも有意に高値であることが明かとなり、バレエエクササイズが骨代謝に促進的に機能していたことが示唆された。また、2)運動による骨密度の経年的変化率は、運動習慣のない中高年齢女性よりも各群とも低く、各舞踊活動が骨密度維持に有効に作用していたことが示唆された。特に、バレエ実践者においては、腰椎に顕著な効果(増加)が認められこのことから、バレエの動作特性が骨代謝を促進していた可能性が示唆された。 以上の結果より、運動様式、運動頻度、運動強度に各舞踊間で相違はあるものの、長期にわたる舞踊活動は、各群被検者の骨密度維持に対して促進的に作用していた可能性が示唆された。また、クラシックバレエ実践者にその傾向が強く観察されることが明かとなった。 高齢社会が進む中で、今後はより長期的視野に立った観点から骨代謝を考える必要があると思われる。そのためには単発的な運動が骨代謝に及ぼす影響を把握するとともに、サンプル数を増やして長期的な運動継続が骨代謝に及ぼす影響を縦断的に追跡すること、またバイオメカニクス観点から高齢者であっても骨密度減少に効果のある身体活動の選定、開発が必要であると考えられる.
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