研究課題/領域番号 |
09780108
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 沼津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
佐藤 誠 沼津工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (80205963)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 欠点診断 / 後転とび / 認知過程 / 運動形成 / 認知構造 / 運動の粗形成 / イメージ / 意識ポイント / スキーマ / 認知変化の段階 |
研究概要 |
本年度の第一の作業は、学習者の欠点に関する認知と指導者の欠点の診断結果を比較することであった。そのために複数の熟練した指導者に欠点を持った後転とびを実際に診断してもらい、それを指導者間における診断結果の相違、診断結果と実際の修正過程における学習者の認知との相違の2つの観点から考察した。考察によって、指導者間の診断結果は、欠点を持った局面がどこにあるのかに関してはほぼ一致しているが、その局面における欠点の解釈に関しては様々であることが明らかになった。また、診断結果と実際の修正過程における学習者の認知との比較においては、かなりの隔たりがあることが明らかになった。本年度の第二の作業は、学習者の認知と指導者の診断結果の相違をもたらす原因の解明であった。考察の結果、両者の相違をもたらす原因として指導者と学習者の目標像の相違、学習者における運動獲得までの認知構造の変化に関する指導者の認識不足、学習者の認知が欠点を持った局面が本来果たすべき機能と1対1の対応を示していないことなどが考えられた。これらの結果から最終的に学習者の認知構造を把握するためには、学習者と指導者の対話が不可欠な点、認知過程を診断する前提として指導目標像の一致が不可欠な点、認知構造を把握するために前年度作成した認知過程モデルを7段階を大きくまとめ、それぞれの段階における認知を主体基準系において解釈するという2段階モデルに変更した方がよい点が明らかになった。2年間の研究結果から、最終的に運動の粗形態定着までの習熟過程と認知構造の変化(認知過程)を関連づけることにより診断のための基準を2段階モデルとしてシステム化できることが明らかになった。しかし、2段階モデルを具体的にシステム化するためには、学習者の認知を主体基準系において解釈し、外的経過と関連づけるための方法論が必要であることが明らかになり、この点が今後の課題として残された。
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