研究課題/領域番号 |
09780144
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 鹿児島大学 (1998) 筑波技術短期大学 (1997) |
研究代表者 |
土田 理 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (10217325)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | グラフリテラシー / グラフスキル / 中等学校 / 理科教育 / 物理教育 / 数学教育 / 実験・観察 |
研究概要 |
平成10年度は、横軸に時刻、縦軸に位置という次元の異なる物理量が関係したグラフ読み取りと作成に焦点をあてたグループ活動による実験授業(平成9年度実施)の分析と考察を行った。その結果、全く経験したことのないグラフ作成課題であっても、関数電卓と位置測定装置を組み合わせた空間において生徒自身がグループ活動を行った場合は、所定の時間内ですべてのグループが課題を終了することが出来ていた。これは、関数電卓と位置測定装置がリアルタイムにグラフ作成情報をフィードバックすることによって、問題解決のための情報空間が作り出され、生徒等が既存の知識と切り離してお互いにその空間を共有することが出来たためと予想される。一方、既存の知識に結びつくヒントを与えて同様のグループ活動を行った場合は、課題を終了することが出来ていなかった。これは、関数電卓と位置測定装置のフィードバック情報が、ヒントによって引き出された既存の知識体系の文脈によってマスクされてしまい、生徒等が有益な情報を問題解決に利用することが出来なかったための予想される。 以上より、次の結論を得ることが出来た。 ・ リアルタイムにグラフ作成情報がフィードバックされる環境においてグループ内・間の協同学習を行うことで、中等学校生徒は自ら新しいグラフスキルを獲得することが可能である。 ・ グラフ認知概念が変容される過程は強い文脈依存性を持っており、既存の知識と結びつくわずかな情報によっても、問題解決経路に大きな差が生じる。 ・ 実験・観察に必要とされるグラフスキルを中等学校生徒に体験させるためには、物理や理科の内容から外見的には大きく異なっていると生徒が感じる課題を教師が作成し、該当単元に入る前に情報共有が可能となる環境で問題解決課題として提供することが重要である。
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