研究課題/領域番号 |
09780153
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育工学
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
山口 好和 北海道教育大学, 教育学部・函館校, 助教授 (30271018)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | キーシーン抽出・構造化法 / 授業分析 / 授業アセスメント / 意思決定 / 教授ストラテジー / 授業シミュレーション / 主観・客観 / 授業記録 / キ-シーン抽出・構造化 / 教授行動系列 / 教授スキル / 授業設計 / 教材分析 |
研究概要 |
1. 研究目的 本研究の主な目的は、教育実践研究の方法論の再考にむけて、これまでの複数のアプローチ(ベテラン教師の経験知、教育工学的手法、民間教育団体の活動等)をふまえ、授業研究方法論の基礎研究となる授業分析方法の開発を行うことである。 2. 研究方法 基本的な授業分析の手法として、「キーシーン抽出・構造化法」を採った。この方法では、授業および教材の分節と構造をできるかぎり明示することによって、授業者の意図の有無に関わらず授業の構造や教授行動のもつ意味を明らかにすることができる。具体的な手続きは次の通りである。(1)研究対象の特定(複数)、(2)VTRによる授業記録、(3)授業記録に基づく逐語記録の作成、(4)キーシーンの同定・抽出、(5)キーシーン間の関連性の考察、(6)当該授業に含まれる意味内容の図示・構造化 3. 研究成果本研究では、5つの事例を題材として分析手法の開発にあたった。 事例1:一般放送番組「新・北海道中ひざくりげ」 (NHK札幌・旭川局制作の紀行番組) 事例2:放送大学教材(「博物館学1」、「博物館学II」) 事例3:小学校2年生・算数科「ならんでいる子は何人?」 事例4:中学校2年生・社会科(地理) 「ハウスで育つ野菜」 事例5:小学校2年生・算数科「はこのかたち」 事例1および事例2の放送番組からは、時系列に拠らない題材の構造を明らかにできた。また、その素材を教材として利用した際に想定できる学習課題を導くことができた。 一方、事例3から事例5映像による授業記録からは、同じく時系列に拠らない授業の構造を明らかにすることができた。それとともに、授業展開過程の分節点を同定し、教授行動の代替案を作成した。これは授業分析の過程で、より本質的な議論を進めるために、また授業者や観察者からより豊富な教授知識を導き出すために、有効な材料として活用できると思われる。
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