研究課題/領域番号 |
09780174
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 東京学芸大学 (1998) 岩手大学 (1997) |
研究代表者 |
中地 雅之 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (30250640)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 音楽科教育 / 教員養成 / カリキュラム / 即興・創作 / 比較教育 / 表現 / 横断的学習 |
研究概要 |
本年度は、以下の2側面からフィールドワークを含めた比較研究・教育実践を行なった。 (1) 教員養成カリキュラムにおける即興・創作の比較調査 本年度は、東北地方の5つの国立大学(宮城教育・福島・秋田・弘前・岩手)を対象に、文書資料の収集と分析、担当教官との面接調査、実践視察・記録の3方向で教員養成カリキュラムの比較研究を実施した。音楽履修科目の時数制限より、即興演奏を単独科目として開設している大学は見られず、特に小学校課程においては「教科専門科目・音楽」または「初等科音楽科教育法」にどう即興・創作を組織するかが課題とされる。また、ドイツ語圏の音楽教育における即興表現に大きな影響を与えた、ザルツブルグの多元美学教育研究所長W.Roscherに対し教員養成における即興表現の理念と実態に関する面接調査を行った。結果、来年度9月に研究代表者(中地)がオーストリアのシンポジウムで日本の現状に関する研究報告を行ない、国際比較研究への基盤を形成することが決定した。 (2) 東京学芸大学に転任に伴い、教員養成課程必修科目における実践 研究代表者の転任に伴い、教員養成における即興・創作の実践のフィールドを岩手大学より東京学芸大学に移し、昨年度からの継続として小学校課程必修課目において鍵盤楽器による即興表現の指導を実践した。また、東京学芸大学のピーク制に対応させ、国語科学生を対象に〈谷川俊太郎の作品・日本民話〉を、社会科学生を対象に〈アリババと40人の盗賊〉を題材に取り上げ、旋法性の即興・創作に関する実践的研究を発展的に施行した。 2年間の継続研究より、即興・創作が個性・創造性・自発性の育成等〈新しい学力観〉が重視する課題に対して、また今後の教育改革の重点とされる〈総合的学習〉(地域理解=やまなし、国際理解=アリババ)や〈教科横断的学習〉(国語科=音楽劇・朗読音読、社会科=地理・歴史、体育科=身体表現、図画工作科=視覚的表現)の展開に多くの可能性を有していることが実証的に確認された。しかし、我が国の教員養成カリキュラムにおいては、履修時間数・指導形態・諸設備等、実施に多くの制約と困難が伴うのが現状である。今後、諸条件の改善と確保が不可欠であり、さらに総合的・横断的学習における即興・創作の国際比較研究推進が課題とされる。
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