研究課題/領域番号 |
09780200
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本語教育
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松崎 寛 東北大, 文学部, 助手 (10250648)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 韻律指導 / アクセント / ミニマルペア / 既習語彙 / 情的評価 / 日本語音声教育 / プロソディーグラフ / 教授項目 |
研究概要 |
「自然な日本語らしい発音」のためには、韻律の諸要素を重視すべきだと言われるが、現実には、教師が自分の発音に自信がなかったり、効果的な指導法がわからなかったりすることで、十分な指導は行われていない。その現状を改善するために、まず、音声に対する教師の自己研修のための、インターネットを利用した韻律練習プログラムを公開した。そして、アクセントのミニマルペアの有効性の調査研究を行った。普段の授業から学習者の目を韻律に向けさせるには、既習語彙でミニマルペアがどのぐらいできるかについて調べる必要がある。そこで、「日本語能力試験出題基準」語彙集の初級1500語、上級10000語を対象として、アクセントの同音語弁別力調査を行った。その結果、上級語彙の同音語中、アクセントが完全に語の弁別を行うものは約2割、また、初級語彙では約4割であった。しかし、同音語自体が総語彙に占める割合は少なく、また、同品詞でまったくの同文脈に想定しうるペアは、ほとんどない。したがって、弁別機能や統語機能などをアクセント教育の意義に求めるよりは、情的評価に大きく関るものとしてアクセントも存在していると考えた方が、理にかなう。 そこで、これまでのミニマルペア中心の教育ではなく、イントネーションやプロミネンスという他の韻律諸要素と連動して文の高低を形作る際の一要素としてアクセントを捉えなおし、体系的な韻律教育を行うため、音声についての多くの項目の相互の関係を明らかにし、具体的例文と結び付けて、韻律指導のための教授項目を呈示した。 これらの研究成果の一部は、平成9年度日本語教育学会秋季大会(1997. 10. 5広島大学)、および、平成9年度日本語教育学会第11回研究集会(1998. 3. 8同志社女子大学)において口頭発表を行った。
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