研究概要 |
本年度の研究は,前年度に提案したネットワークベースト異機能の複数ロボット協調作業システムの設計理論に基づき,画像処理能力を有し、無線LANコネクタを搭載する小形自律移動リーグロボットを含む作業ロボットシステムを製作・構築した.それを用いて,提案したホストエージェントと各ロボットの役割分担、通信情報とセンサ情報の分離化基準、共有可能なロボットビヘービアの設計手法および分散オブジェクトベーソトのビヘービア伝送機構の基本システム構成などについての検討及び検証実験を行っている. ホストエージェントと各ロボット役割分担 共同で対象物の運搬・組立てなどの協調作業を行う際、個々のロボットの組織化,ロボットシステムの作業目標の指示及び異なる作業形態を実現するためのグループ分けの三つの共通的且つ静的なタスクは基本的にホストエージェントにより実行している。協調作業のために組織化された各ロボットの役割は、自身のビヘービアコントローラにより能力方向への能動特性および非能力方向への受動特性を持たせることをのみ行う。ホストロボットのネットワーク化は作業に付随する情報を管理するネットワークデータベースから行動要素情報及び作業タスク情報の利用に適切かつ効果的という結論を得た。 分散オブジェクトベーストのビヘービア伝送システム ネットワークで連結されている分散ロボットシステムにおいては、ホストからロボットへ指令情報を伝達すると共に作業情報(task)と行動要素(behavior)も伝送することの可能性を検討した。JAVAの分散オブジェクト環境の上に行動要素の伝送システムの基本機構を構築し、作業に変更と伴う行動要素オブジェクトの取得及び新作業への切替えの基本メカニズムの設計法を提案した。分散ロボットのシミュレーションシステムを用いて検証を行って、妥当性が示した。現在、実複数ロボットシステムを用いて力協調タスクに対しての検証実験を進行している。 通信情報とセンサ情報の分離化基準 協調作業を行う際、明示的な通信情報とセンサ情報(陰の通信の一種と考えられる)の一部分は、共通性(invariance)が持ち、さらに各種の明示的な通信情報にも協調タスクと「疎」な関係のみもつ情報が存在することを判明した。本年度の研究では、昨年度の成果に基づき、組織化の高度化を主の目的として、ホストとの通信による情報取得とセンサによる情報取得との比較解析を行い、検証実験を行っている。 上記の今年度の研究成果は2つの国内学会にて発表した。さらに1つの国際会議で発表する予定である。
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