研究概要 |
本研究では平成10年度において,以下のような結果を得た. 電子図書館のようなシステムでは,サーバによる不当なユーザの追求を防止することは,ユーザが安心して利用できるために重要である.この用件が満たされていない場合,システムの普及に大きな支障を来たすことが考えられるので,サーバの不正を防止することは,現実にサービスを行なうための必要条件であると考えられる.平成10年度では,平成9年度に開発した「送り先情報符号化方式」,「電子透かし埋め込み方式」を利用して,このようなサーバの不正を検出,防止できるシステムの構成法を提案した.そしてそれを国際会議(JWIS'98)において,論文発表した.今回のシステム構成法は,平成9年度に提案した,サーバの機能を分割し,データを持つサーバ,電子透かしを埋め込むサーバの2つを置いたシステムを改良して構築している,また,その際よりも詳細な安全性の議論,システムの効率についての議論を行なった.今回提案したシステムでは,これまでに提案されていたものに比べ,ユーザの手間が非常に少なくて済むように,なっていることを論理的に示した.これまでの発表では論理的に示されていなかった,ユーザと一方のサーバが結託することによる不正にも対応できることを論理的に示した. さらに平成10年度では,電子透かし埋め込みに関する技術,電子透かしとして埋め込まれる情報の符号化法,システム構築技術について,これまでに収集,分析した結果について発表を行なった(応用信号処理研究分科会,SITA講習会).
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