研究概要 |
本年度は全方位画像対から両眼立体視が可能な透視投影画像生成方法の検討を行った. 昨年度までの研究の段階で全方位視覚センサHyperOmni Visionから入力された全方位画像から一部を切り出し一般のカメラで取られたような画像(平面透視投影画像)に実時間で変換する方法と利用者の頭部の移動に追従して実時間で見ている方向の画像をヘッドマウントディスプレに提示する方法を確立した.しかし,このとき変換されて利用者に提示されている画像は右目左目ともに同じ画像であった.そのため本年度は上下の2箇所でHyperOmni Visionにより撮影された入力画像対よりステレオで使用者に対し両眼立体視のできる画像を生成する方法について検討した. 結果,実時間での変換はできないものの任意の方向の両眼立体視が可能な画像を生成することができた.具体的にはHyperOmni Visionを上下に並べて撮影された入力画像対では対応する点が放射状に並ぶ.そのため従来のステレオ法を改良し放射方向に対応点を探索できるようにし,環境中の対象までの距離をもとめその距離を基にCGの手法を用いて立体視可能な任意の画像対を生成した.しかし当初の予測どおり,ステレオ法による対応点の探索はノイズが多く時間がかかるため,利用者に実時間で任意の方向の両眼立体視可能な画像を提示することはできなかった.今後はこの方法を改良または別の手法を用いて実時間で両眼立体視可能な画像を生成する方法を確立する必要がある.
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