研究課題/領域番号 |
09780394
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報システム学(含情報図書館学)
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
桧垣 博章 東京電機大学, 理工学部, 助手 (70287431)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ネットワーク / 分散処理 / プロトコル / フォールトトレランス / 多重化 / チェックポイント / 非同期 / リカバリ / 移動体通信 |
研究概要 |
本研究では、システム環境やユーザ要求の変化に対応できる「柔軟性」を備えた「やわらかい」ネットワークの実現に必要な諸技術を構築することを目指した。これに対して、以下の成果が得られた。 1. 分散アプリケーションプログラムの動的改版機構の実装 運用中の分散システムによるユーザへのサービス提供を中断することなく、分散アプリケーションプログラムをバージョンアンプする技術として、我々は動的改版手法を提案している。これを、TCP/IPネットワークに接続されたUNIXワークステーションに実装し、その実現可能性と有効性を明らかにした。ここでは、通常はディスク等の二次記憶装置に対する読み書きを必要とするチェックポイント取得操作を、プロセスの実行制御のみによって実現することにより、オーバヘッドの大幅な削減を可能とした。 2. 非同期リカバリプロトコル システム要素の故障してもユーザにサービスを提供し続けるようなシステムを構築することにより、故障に柔軟に対応するやわらかいシステム構築が実現される。この実現方法としてチェックポイント・リカバリの手法がある。従来のリカバリプロトコルでは、複数のプロセスを同期的に一時停止させる必要があることから、ユーザに対するサービス提供の停止時間が長くなり、システムとしての柔軟性力十分とは言えなかった。我々は、非同期リカバリプロトコルを考案し、この問題を解決した。 3. 移動体ネットワークのためのチェックポイントプロトコル これまで、システム故障への対処による柔軟なシステム構築の実現という問題はネットワークに固定された端末を対象として検討されてきた。これに対し、移動体ネットワークに対する技術は十分に検討されていない。我々は、移動体の特性、すなわちネットワークへの接続位置が動的に、しかもユーザの利用中に変化すること、二次記憶装置の容量が十分でないこと、電源容量が十分でないこと、などを考慮した新しいチェックポイントプロトコルを構築することによって、この問題を解決した。 4. 大規模ネットワーク環境のための多重化技法とその実現プロトコル 障害に対して「柔歌に対処可能な」ネットワークを構築するための多重化技法として、擬似能動的多重化技法を提案した。近年のマルチベンダ環境において、インターネットをはじめとする広域ネットワークにおいて,障害時の回復時間の短い多重化技法を提案し、その実現プロトコルを設計した。現在までに、シミュレーション環境下では、従来手法の3割の時間で回復可能であることが確認されている。
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