| 研究概要 |
前年度の研究に引き続き,ユネスコの図書館・情報政策における発展途上国の位置づけを明らかにするために,ユネスコ創設期から第10回総会(1958年)までの間の基本文書の分析と考察を行った.その結果,図書館開発プログラムと科学技術情報開発プログラムを比較した場合,図書館開発プログラムは,プロジェクトを一つのデモンストレーションと見なして.その波及効果を期待するアプローチが取られているが.科学技術情報開発プログラムは.プロジェクトそのもののもたらす成果が強調されているというように,アプローチに違いがあることが明らかになった.また.発展途上国の社会開発と図書館情報政策との関連については.図書館開発プロジェクトが発展途上国の社会開発に与える影響を評価する方法について,アジア太平洋地域の発展途上国における農村開発プロジェクトにおいて検討あるいは採用された手法についてのレビューを行い.図書館開発領域での適応可能性について検討した.その結果,いくつかの手法の適応可能性があること,また.これらの評価の反省点を踏まえ.図書館開発の評価のための指標の策定については,さらに慎重な検討が必要であることが明らかになった.
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