研究概要 |
本年度は研究の最終年度にあたるため,信頼性システムの評価を中心にした理論的研究を行った.特に,対象とするシステムを複雑な非線形モデルとしてとらえることにより,ニューラルネットワークに代表されるソフトコンピューティングの技法を予防保全スケジュールの生成問題に適用した.具体的には,(i)ソフトウェア最適リリース問題(ii)多次元モデルにおけるスペア部品の在庫・補給問題(iii)コンピュータシステムの最適バックアップ問題(iv)実システムにおける故障発生頻度の推定問題について考察を行った.(i)のソフトウェア最適リリース問題では,階層型ネットワーク,リカレントネットワーク,GMDHネットワークの3種類のネットワークモデルを応用した.また,(ii)(iii)の問題に対しては,マルコフ解析ならびに確率的最適化法のテクニックが適用された.(iv)の問題では,現実の屋内不点故障件数の推定には階層型ネットワークを,再生関数の計算アルゴリズムには動径基底関数ネットワークがそれぞれ用いられた.非線彩システムとしての信頼性・保全性モデルは他にも数多く存在し,本研究で得られた技法および知見が今後有効になるものと考えられる.
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