研究課題/領域番号 |
09780426
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
立松 芳典 筑波大学, 物理学系, 講師 (50261756)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | サイクロトロン共鳴加熱 / 非一様プラズマ / 相対論 / タンデムミラー / 非線形現象 / 位相変調 / 速度分布 |
研究概要 |
本研究の目的は、非一様プラズマ中での波動による電子加熱過程を詳細に調べ、電子速度分布の変化を記述する相対論的関数形を見いだすこと、さらに、これを基にして、タンデムミラー装置ガンマ10における、電子加熱に伴う電位形成・粒子輸送・放射等の物理過程を明らかにすることであった。 これまでに、非相対論の範囲でマイクロ波と共鳴相互作用する電子の速度の応答を応答関数の形にまとめた。この関数の特徴の1つは、共鳴前後の粒子のエネルギー増分が、波と粒子速度の初期位相差のきれいな正弦関数にのることである。相対論に拡張しても、共鳴相互作用の時間が短時間で、速度変化が線形解析の範囲であれば、この特徴はかわらないことがわかった。 非相対論・相対論にかかわらず、非線形現象が効きだすと、これまでの応答関数はそのままでは適用できなくなる。共鳴に伴っておこる非線形現象の一つとして位相変調がある。相対論効果による位相変調についてはよく知られており、大電力発振装置ジャイロトロンの発振原理に応用されているが、サイクロトロン共鳴加熱中にも条件によっては位相変調が効いてくる。 サイクロトロン共鳴加熱に伴って起こる位相変調の過程は2つ考えられる。1つめは、加熱波に応答する速度成分は波に同期しているため、応答する速度成分が成長すれば、変調により位相集群が起こる。2つめは、磁力線方向の速度に変調が起こり、波と粒子速度の初期位相差に依存して位相の進み方に違いが生じ、位相変調が生じる。特に今回は、2つめの過程について解析し、ガンマ10で、位相変調が重要となる条件を求めた。 次に、マイクロ波入射に伴う加熱共鳴点近傍からの放射波のスペクトル測定を行った。その結果、広い周波数帯で眼測される熱的放射に加えて、加熱入射波の周波数よりも少し高い周波数帯に強いピークの非熱的放射が観測された。このピークの強度は、ミラー磁場効果による密度増加だけでは説明ができず、位相集群が起き、放射強度が増幅したためと考えている。
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