本研究の目的は、パルスイオンビームを用いた材料作製における動作安定、長寿命、高信頼性を持つイオン源を開発することである。その方法として、従来使用されるフラッシュオーバー方式イオン源の代わりにガスパフ方式イオン源を開発する。 平成9年度中での研究内容: 1)ガスパフ部及び駆動電源の作製と動作評価。 2)ガスパフより発生されたガスをパルス放電により電離・加速するプラズマガン及びその駆動電源の作製と動作評価。 以上の研究結果より得られた成果: 1)発光観測により、プラズマは均一に生成され、加速されていることを確認した。 2)プラズマガンの下流97mmの位置で、中性ガスの熱膨張速度(〜300m/s)に比べ十分大きなプラズマ進展速度(1Okm/s)を得た。このときのプラズマ電流密度100/Acm^2である。 3)窒素ガスを使用した場合、プラズマ中のイオンは主に窒素の1価と2価イオンである。 以上の成果より、イオン源のためのプラズマの生成が確認され、次の段階としてのイオンビーム引き出し実験へ進めるための準備ができた。
|