研究課題/領域番号 |
09780450
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
エネルギー学一般・原子力学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浅井 圭介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60231859)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 半導体超微粒子 / 高エネルギーイオンビーム / LB膜 / CdS / RBS |
研究概要 |
LB膜を構成するcadmium arachidateをH_2Sと反応させることにより、CdS超微粒子を膜中に形成させることに成功した。さらに、この反応中の温度調節により、微粒子の粒径制御が可能であることを示した。こうして作製した試料に、IMeVのH^+を照射して、イオン誘起発光測定を行った。この定常発光スペクトルから、このイオン照射が、CdS超微粒子のbandgap中に存在する準位を、非常に浅い準位(sulfur-related defect)を残して殆ど除去し、バンド端発光の量子効率を著しく向上させることが明らかになった。さらにこのイオン誘起発光の時間分解測定結果から、定常スペクトルで見られた深い準位からの発光(510nm及び600nm)が、donor-acceptor発光に起因するものであることが示された。また、PL測定結果から、高エネルギーイオン照射後のCdSの酸化過程において、sulfur-related defectの安定化と、Cd^0の生成とが起きることが推測された。さらに、光酸化が可能な条件下での、sulfur-related defectとCd^0との共存が、CdSの再生成とsulfur vacancyの形成につながることが示唆された。 また、LB膜中に析出させた微粒子の形態評価を目標に、超微粒子生成に伴うLB膜の構造変化をラザフォード後方散乱分析(RBS)によって追跡した。その結果、H_2S処理が、表面から基板方向へのCdのmigrationを誘発することが明らかになった。このようなCd濃度分布の大きな乱れは、析出したCdS超微粒子が二次元的な板上結晶を形成したのではなく、LB膜の秩序構造を破壊しながら球状に凝集したことを示唆する。このCdのmigrationを、RBSスペクトルのシミュレーションによって再現することに成功した。
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