研究課題/領域番号 |
09780464
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核融合学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森下 和功 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (80282581)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | カスケード損傷 / 照射効果 / 分子動力学法 / モンテカルロ法 / 照射欠陥生成 / 照射相関 / 照射損傷 / はじき出しカスケード / 核融合炉材料 / 反応速度論 / 磁気特性評価 |
研究概要 |
核融合炉材料設計を行う場合、核融合炉照射環境に相当する照射場が現在存在しないため、核分裂炉やイオン加速器などを用いた照射材料データをもとにして、核融合炉環境下での材料挙動を予測する必要がある(照射相関の問題)。そのためには、ピコ秒からナノ秒オーダー、さらにはミリ秒オーダーにいたるさまざまな照射損傷プロセスを明らかにし、原子レベルから構造物レベルにわたるさまざまな大きさの材料挙動を予測するための方法論を構築しなくてはならない。本研究では、原子レベルの照射材料挙動を予測するためのシミュレータ開発に向けて以下の研究を行った。 (1) 照射場によって材料が原子レベルでどのように挙動するかを調ベるために、分子動力学法(MD)を使った欠陥集合体の形成および移動に関する計算機シミュレーションを行った。格子間原子型欠陥集合体中の格子間原子は、そのサイズが大きくなるにつれて、bcc金属特有の<110>配位から最密方向の<111>クラウディオンになる。そのような<111>クラウディオンの束として定義できる格子間原子型欠陥集合体は、移動速度が速く、活性化エネルギーにして0.1-0.2eV程度であった。このことは欠陥生成バイアス効果とも結びつき、照射欠陥蓄積過程に大きな影響を及ぼすと考えられる。 (2) 鉄中に生成したカスケードからどの程度の欠陥が自由欠陥としてカスケード領域から逃れるかを評価するために、モンテカルロ法を用いた欠陥反応のシミュレーションを行った。原子空孔型および格子間原子を計算体系にランダムに分布させた場合と、カスケード損傷において見られるように原子空孔を中心に、格子間原子を周辺に分布させた場合の2種類の初期欠陥分布の場合を比較した。カスケード型分布の方が空孔型欠陥クラスターが形成されやすく、自由な格子間原子の逃走確率が増加することが見い出された。
|