研究課題/領域番号 |
09780508
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
胡 連春 京都工繊大, 工芸学部 (60273546)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ポリエチレンテレフタレート / ポリカーボネート / プラスチック廃棄物 / ケミカルリサイクル / 非水溶媒 / テレフタル酸 / ビスフェノールA / 炭酸ジメチル |
研究概要 |
本研究では、廃棄ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリカーボネート(PC)などのモノマー再生法の開発を目的として、PETとPCを無水のエチレングリコール(EG)、アルコール及びこれらの溶媒とエーテル(例えばジオキサン、テトラヒドロフラン)、炭水化物(例えばトルエン、キシレン)との混合溶媒中で分解し、分解に及ぼすこれらの溶媒の効果について検討した。 アルカリを用いてPETの非水溶媒中での分解速度は水溶媒中より大幅に増大した。PETは無水EG中150〜180℃で短時間内にテレフタル酸ナトリウムとEGに解重合できた。EG中に少量のジオキサンなどのエーテルを添加するとその処理温度を下げることができる。特にアルコールとジオキサンの混合溶媒中では40〜70℃の低い温度で同様な解重合を高効率で行えることも見出した。分解生成物と残留物の重量変化、末端基の滴定分析及びそれらの^1H NMRと蛍光X線分析の解析結果より、PETの分解はペレットの表面で進行することが分かった。無水溶媒中でのアルカリの塩基活性増大と溶媒によるPETペレット表面の膨潤が分解速度を大幅に促進した原因と考えられる。分解速度は一次反応であり容易に制御できる。分解によって生成したテレフタル酸塩は溶媒中で沈殿析出するため、ろ過により容易に分離できた。テレフタル酸塩を少量の水に溶解し、硫酸などで中和すると高純度のテレフタル酸(TPA)が得られた。一方、ろ液は分解の溶媒として循環再使用でき、また蒸留すればEGが定量的に得られる。 同様な方法でPCの分解も検討した。PCを触媒量のアルカリ存在下でアルコールとジオキサンあるいはトルエンとの混合溶媒中で分解したところ、40〜60℃の低い温度で迅速に解重合し、そのモノマーのビスフェノールAと炭酸ジメチルを容易に高効率で回収できることが分かった。 本研究より得られた成果を技術的に実験し、廃棄PET及びPCの工業的あるいは社会的リサイクル法としての実用化を検討している。
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