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蛋白質膜透過に関与する膜内在性因子SecGの構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 09780540
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 構造生物化学
研究機関東京大学

研究代表者

西山 賢一  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80291334)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード蛋白質膜透過 / SecG / SecA / 大腸菌 / 分泌 / 膜内配向性 / プロトン駆動力 / リン脂質 / GpsA
研究概要

大腸菌における蛋白質膜透過反応において、ATPase活性を持つSecAはATPの結合により膜挿入し、加水分解を伴って膜から脱離するというサイクルを繰り返すと考えられている。申請者らは、膜内在性因子SecGが膜内配向性の反転・回復サイクルを繰り返すといった、膜蛋白質に対する常識を覆すほど大きな構造変化を引き起こしていることを発見している。膜透過反応におけるSecGの機能と膜内配向性の反転との関連を明らかにするため、種々のsec変異株のsecG遺伝子破壊を行った。secG遺伝子破壊により菌は低温感受性となるが、secAcsR11株のsecG遺伝子を破壊するとあらゆる温度で生育不能となった。このことはSecAとSecGの間に機能的相互作用があることを強く示唆している。このsecAcsR11株の変異部位を決定し、変異SecA(csSecA)を精製して生化学的な解析を行った。その結果、csSecAは前駆体蛋白質との相互作用が弱くなっており、csSecAによる蛋白質膜透過にはSecGが必須であることが判明した。また、csSecAの膜挿入もSecG依存であった。これらのことからSecA-SecG間には機能的に密接な関係があることが示された。
蛋白質膜透過反応はプロトン駆動力により促進される。次にプロトン駆動力がSecA-SecGサイクルに及ぼす影響を調べた。その結果、SecAのATPase活性を阻害して膜挿入SecAの脱離を阻害してもプロトン駆動力を形成させるとSecAは脱離することを発見した。すなわち;プロトン駆動力により膜挿入SecAがATPの加水分解を必要とせずに脱離し、その結果膜透過が促進されると考えられる。また、低温下でSecGが存在しないとき、プロトン駆動力により膜挿入SecA量が増加することも判明した。このことは、プロトン駆動力がSecAの脱離のみに関与するのではなく、膜挿入も促進していることを強く示唆している。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Suzuki,S.: "Coupled structure change of SecA and SecG revealed by the synthetic lethality of the secAcsRII and ΔsecG::kan double mutant" Mol.Microbiol.29. 331-342 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Nishiyama,K.: "Molecular cloniong and functional characterization of SecE of a marine bacterium,Vibrio alginolyticus" Biochem.Biophys.Res.Commun.251. 894-897 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Nishiyama,K.: "Membrane deinsertion of SecA underlying proton motive force-dependent stimulation of protein translocation" EMBO J.18. 1049-1058 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 西山賢一: "蛋白質膜透過装置の構造変化と作動機構" 生物物理学会誌. 217. 104-110 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Shimizu,H.: "Expression of gpsA encoding biosynthetic sn-glycerol3-phosphatedehydrogenase suppresses both the LB-phenotype of a secB null mutantand the cold-sensitive phenotype of a secG null mutant." Mol.Microbiol.26. 1013-1021 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 西山賢一: "構造変化を繰り返す分泌蛋白質膜透過装置--膜透過反応に共役したSecGの膜内配向性反転--" 蛋白質・核酸・酵素. 42. 1-11 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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