研究課題/領域番号 |
09780551
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
小島 修一 学習院大学, 理学部, 助教授 (80215243)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | αヘリックス / 繊維状集合体 / 両親媒性 / 遺伝子工学 / 繰り返し構造 / 安定性 |
研究概要 |
申請者らがαヘリックスを形成するように設計、合成した(LeuGluThrLeuAlaLysAla)_3の配列を持つぺプチドα3は、バンドル構造のαヘリックスを形成するのみならず、透過型電子顕微鏡で観察可能な直径約5〜10nmの繊維状集合体を形成する点においてユニークである。本研究ではさまざまな長さ、配列を持つぺプチドを合成し、それらのαヘリックス安定性および繊維状集合体形成能を調べ、繊維状集合体形成の分子機構を明らかにしようと試みた。まずα3のユニット配列の繰り返し数を2回にしたα2ではαヘリックスを形成しなかったので、α2とα3の間の長さを持つペプチドを数種類合成した。その結果、α2のC末端側にLeuを1つ付加したα2Lは酸性、高塩濃度という条件ではあるがαヘリックスを形成できたが、α2のN末端側に3個延ばした3α2はαヘリックスを形成できず、αヘリックス形成にはLeuによってある程度の疎水面が形成される必要があることがわかった。同様にして、4α2Lおよびα2LETLがそれぞれ4α2およびα2LETよりも安定なαヘリックスを形成するのは、Leuが1個増えて疎水面が増強されたためであると考えられる。一方、α3のユニット配列中、5番目あるいは7番目のAlaをSerに置換したところ、共にαヘリックスを形成するものの、7番目をserに置換したペプチドでは繊維状集合体が観察されず、α3が繊維状集合体を形成する上で、疎水面中のAla残基が重要な働きをしていることが明らかとなった。同様にして、ユニット配列中5番目のAlaをLys、7番目のAlaをGluにして塩結合を導入したペプチドでも、αヘリックスを形成するものの、繊維状集合体を形成しないことがわかった。このように、αヘリックス形成ペプチドによる繊維状集合体の形成には疎水面の性質が大きく影響していることが明らかとなった。
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