研究課題/領域番号 |
09780574
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
濱田 文彦 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (70252707)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | wingless / axin / Drosophila / d2 / β-catenin / armadillo |
研究概要 |
我々がβ-catenin/Armadillo(Arm)蛋白質に結合するショウジョウバエの遺伝子産物としてクローニングしたD2は、そのドメイン構造の特徴より、マウスの体軸形成に関わる遺伝子産物として発見されたAxinのショウジョウバエのホモローグであることが判明し、われわれはこれをD-Axin(Drosophila homolog of Axin)と命名した。 Northern blottingおよびin situ hybridizationにより、d-axin遺伝子が、ショウジョウバエの全発生過程を通して、ubiquitousに発現していることを明らかにした。 さらに、d-axin遺伝子の第1exonの5'非翻訳領域の中にP因子が挿入されるようになってd-axin遺伝子が破壊されていると考えられるショウジョウバエの系統を得た。 この系統を用いて、正常の個体内にd-axin遺伝子の-l-の細胞集団の部分を持つ、遺伝的モザイクのハエを作製したところ、異所性のwing margin構造の形成、正常のiegの背側から分岐するsupernumerary legの形成、さらに異所性のsternite構造の誘導が認められた。wingを形成する成虫原基では、d-axin遺伝子-l-の細胞集団の部分において、細胞質あるいは核に局在するArm蛋白質の著明な集積と、Wingless(Wg)シグナル伝達系の標的遺伝子産物であるDistal-less蛋白質の誘導が認められた。 これらの結果より、D-Axinは、Arm蛋白質の細胞内レベルを負に制御することによって、Wnt/Wgシグナル伝達系を負にコントロールする必須のコンポーネントであることを証明した。
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