研究課題/領域番号 |
09780585
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
永田 由香 理化学研究所, 分子細胞生物学研究室, 協力研究員 (40281620)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | Thrombopoietin / Polyploidization / Megakaryocyte / トロンボポエチン / 多倍体化 / 巨核球 / Thrombopoietin(トロンボポエチン) / polyploidi zation(多倍体化) / megakaryocyte(巨核球) / platelet(血小板) |
研究概要 |
巨核球/血小板の成熟過程には他の血球系にはみられない巨核球の多倍体化や、巨核球胞体からの突起形成を経た血小板放出などの興味深い現象が存在する。この過程は巨核球/血小板の増殖分化を制御するサイトカインであるトロンボポエチン(Tpo)により担われているが、これらの分子メカニズムに関しては全く解明されていない。 昨年度は巨核球の多倍体化現象を細胞生物学的に解析し、巨核球は、分裂期の後期Aまでは進行するが、後期B以降における極間の増大の異常等により、複製された染色体が一つの核膜内に包括され多倍体化細胞が形成されると結論した(J.Cell BioL,1997)。そこで、本年度はこの現象をふまえて多倍体化のメカニズムを分子生物学的、生化学的に明らかにすることを目的とした。 1) Tooにより多倍体化を誘導する系の確立材料となるマウス骨髄細胞由来の巨核球は数が非常に少ないため、多倍体化に関与する因子の探索、及びその遺伝子や蛋白質の導入等の分子生物学的、生化学的手法を用いる解析が非常に困難であると考えられた。そこで、本年度はin vitroでTpoにより多倍体化し、巨核球に分化誘導可能な系の確立をES細胞を用いて試みた。その結果、ES細胞にTpoを添加することでほとんどの細胞が、巨核球成熟の指標であるAch-E染色において陽性細胞となり、さらに胞体突起形成まで確認できた。しかし、ES細胞由来の巨核球を詳細に解析したところ多核化が誘導されており、本来の目的である多倍体化の研究材料には向かないことが判明した。 2) 多倍体化を規定する因子の同定とそこで、現在は、Tpo存在下及び非存在下で培養したマウス骨髄細胞由来の巨核球を用いてdifferential display法及びサブトラクション法により多倍体化を規定する因子を探索している。また、anaphase spindle elongationに関与していると考えられている既知のモーター蛋白質の巨核球における局在などを蛍光抗体法を用いて解析している。
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