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神経特異的RGSタンパクの同定とその情報伝達系における機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09780587
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 機能生物化学
研究機関(財)東京都神経科学総合研究所

研究代表者

斉藤 修  (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生化学研究部門, 主事研究員 (60241262)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワードRGS / Gタンパク / GAP / 受容体 / GTP / 神経 / 情報伝達 / 脱感作 / G蛋白質
研究概要

最近、三量体Gタンパク系のシグナリング調節因子としてRGSタンパクが見出された。本研究は、多くのGタンパク・受容体系を利用する神経系に、どのようなRGSタンパクがあり如何に神経機能を制御しているかを解析しようとするものである。昨年度は、まず神経特異的RGSタンパク・RGS8を見出し、その全構造をcDNAクローニングにより明らかにした。また生化学的解析から、RGS8がGαのうちGoαとGiα3に優先的に結合すること、さらにGαのGTP水解を促進する作用をもつことを明らかにした。またRGS8が神経機能に関わるGタンパク共役系を如何に制御しているかを、Gタンパクによって直接活性化されるGタンパク制御型内向き整流性K^+チャネル(GIRK)を電気生理学的に解析して検討した。その結果、RGS8がGタンパク応答のオン・オフ両方向の加速因子として機能することが判明した(Saitoh,O.et al.Nature 390:525,1997)。本年度は、RGS8以外の神経にあるRGSタンパクの性質・作用、さらに脳組織での各RGSタンパクの発現部位を解析した。
(1) RGS7の機能解析:神経系に特異的であることが報告されていたRGS7は、N末を欠いた配列のみが知られていたので、全長cDNAを単離して構造を決定した。次いで、組み換えタンパクを作製して脳内のどのGαと反応するか、共沈実験により検討した。RGS8がGαi3とGαoに選択性を示したのに対して、RGS7はGαi3,Gαo,さらにGαzに優先的に結合することが明らかになった。次にRGS7がGαに結合して如何にGタンパク系を制御しているか、RGS8と同様にGIRKの活性化・不活性化に対するRGS7の作用を解析した。その結果、RGS7はRGS8とは異なったパターンでGタンパク系の反応を加速することが判明した。即ち、RGS7はGタンパク応答のオン過程はRGS8同様に顕著に加速するが、オフ過程については加速能力は低いことが明らかになった。これらの私たちの見出したRGS7やRGS8のアクセル作用は、おそらくは神経系でみられるような非常に短い間隔の伝達物質のリリースによる刺激の際に、特に重要な機能を発揮すると考えられた(平成10年生化学会シンポジューム。/Saitoh,O.et al.J.Biol.Chem.印刷中)。
(2) RGS4、7、8の脳内の発現部位の検討:RGS8以外にRGS4とRGS7が神経組織に多いと報告されていた。そこで、RGS8に加えRGS4とRGS7のジゴキシゲニン標識プローブを作製して、それらの脳内での発現部位をin situ hybridization法で検討した。その結果、小脳で顕著な発現パターンの差異が見出された。RGS4は、主に分子層のバスケット細胞にさらにプルキンエ細胞の一部にシグナルがみられた。RGS7については、顆粒細胞層のゴルジ細胞にはっきりとした強い発現がみられた。一方、RGS8は、プルキンエ細胞に非常に特異的な強い発現が見出された。これらのことから、特に小脳においては、RGS4,7、8は、おのおの全く異なった抑制性の神経細胞に発現していることが明らかになった。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] O.Saitoh et al.: "RGS7 and RGS8 differentially accelerate G protein-mediated modulation of K^+ currents." J.Biol.Chem.印刷中.

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] O.Saitoh, Y.Kubo, Y.Miyatani, T.Asano,and H.Nakata: "RGS8 accelerates G-protein-mediated modulation of K^+ currents." Nature. 390. 525-529 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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