研究課題/領域番号 |
09780626
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大島 一彦 東京工業大学, 生命理工学部, 講師 (60282852)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | レトロウイルス / SINE |
研究概要 |
前年までの研究によって、クサガメとへビクビガメのゲノムには複数の種類のプロウイルスが存在することが明らかになった。本年度は、これらプロウイルスの5'LTR領域の配列を決定するためにカセットPCR法等を用いたゲノムウォーキングにより、塩基配列の解析を進めた。 クサガメの一種類のプロウイルスのプライマー結合領域(PBS)及び5'LTR領域の塩基配列を決定した結果、このウイルスがリジンtRNAに対応するPBSを保持していることが確認された。リジンtRNAを複製の際にプライマーとして用いるレトロウイルスは、カメのSINEの起源と関連があると考えられたグループのウイルスである。しかし、その5'LTR配列(U5領域)は、クサガメSINEのtRNA非相同領域に高い相同性を示さなかった。これは比較するウイルスとSINEが、SINEの起源から長い時間を経たために、互いに多くの変異を蓄積し相同性を判別するのが困難になっているためである可能性が考えられた。そこで、クサガメのSINEの起源となった祖先型のSINE配列を推測するために、クサガメと系統的に遠く離れた種であるウミガメやスッポンのSINE配列の決定を試みた。得られたSINE配列は、欠失や塩基置換が激しく、クサガメのSINEの起源となった祖先型の配列を正確に推定するのは困難であった。 本研究では、カメのSINEの起源となったレトロウイルスを同定するには至らなかったが、爬虫類のゲノムにも哺乳類や鳥類のレトロウイルスに極めて類似したレトロウイルスが、プロウイルスとして広く存在している事実を明らかにした。これらのウイルスが、種の壁を越えた水平伝播の結果として生じたものであるのか、あるいは有漿膜類の起源にまで遡る古い存在であるのかという問題は、レトロウイルス全体の起源や進化の問題と密接に関連しており、今後に残された重要な課題である。
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