研究課題/領域番号 |
09780646
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
定塚 勝樹 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (40291893)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | Recombination / Sister-Chromatid Exchange / リボソームRNA遺伝子(rDNA cluster) / RAD52遺伝子 / FOB1遺伝子 / コピー数調節機構 / HOT1 / FOB1 / recombination / hot-spot / rDNA |
研究概要 |
体細胞分裂期組換えは、複製途中に起きるDNAダメージの修復等に重要な役割を持ち、姉妹染色体間で優先的に起こる事が知られている。しかし、完全に同一な姉妹染色体間での組換えは結果としてrearrangementが起きず、組換え検出系では捕らえにくい事、さらに組換えのホットスポットが知られていない事等からその機構については未だ不明な点が多い。体細胞分裂期組換えとその開始機構を調べるため、出芽酵母rDNAタンデムリピート内で起きる2つのタイプの組換えを、各々の組換え体を検出する事により調べた。第一に姉妹染色体間組換えをUnequalSister Chromatid Recombinationにより生じるrearrangementを、挿入したマーカーが重複したシグナルを検出する事により調べた。その結果、rDNAクラスターでは頻繁に姉妹染色体間組換えが起きている事、またこの組換えは姉妹染色体間の互いに近いリピート間で最も頻繁に起きる事、さらにRAD52及びFOB1(rDNAクラスターでの複製フォークブロックに必要な因子)遺伝子が必要で在ることが分かった。またrDNAの一部の配列を欠失させた細胞で姉妹染色体間組換え体形成を定量することにより、rDNAリピート内のNon-Transcribed Spacer領域で組換え開始反応が起きていることが示唆された。第二に、リピート内でpop-outタイプの組換えをcircular rDNAを検出する事により調べた。その結果、染色体内の互いに近いリピート間での組換えが最も頻繁に起きること、またRAD52,FOB1遺伝子が必要であることが分かった。さらに姉妹染色体間組換え及びpop-out組換えによる組換え体形成頻度は共にFOB1遺伝子のコピー数に依存して増加する事、またこれに伴って染色体上のrDNA clusterの長さが変化する事が分かった。以上の結果から、rDNA領域では複製フォークがFoblpに依存してブロック部位で止まり、それによって組換え反応が誘発されるモデルを提唱した。またRad52pによるDNA鎖交換反応はリピートの近傍でもっとも頻度よく起きる事が明らかとなった。さらに、rDNAクラスターのダイナミックな動態と、組換えによるrDNAコピー数の調節機構の存在を示した。これらの結果をまとめて投稿中である。
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