研究課題/領域番号 |
09780718
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阿部 和穂 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60202660)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 長期増強(LTP) / 海馬 / 扁桃体 / 記憶 / 情動 |
研究概要 |
海馬は記憶形成に重要な脳部位である。この海馬の神経系においては、記憶の分子メカニズムと考えられる長期増強(LTP)現象が認められる。一方、扁桃体は情動を司る脳部位である。私は過去の研究において、扁桃体を破壊すると海馬のLTPが減弱することを発見した。これは扁桃体が海馬LTPを制御していることを示す初めての知見であり、情動によって記憶が左右されるメカニズムを研究するよいモデルになると思われた。さらに昨年度の研究において、扁桃体内側核(MeA)に高頻度の電気刺激を与えると、海馬歯状回における誘発電位の長期的増大が生じることを発見した。本年度はこのMeA刺激によって生じるLTP様の現象についてさらに解析を進めた。ラットにNMDA受容体拮抗薬CPPを腹腔内投与した場合、MeAに高頻度刺激を与えても歯状回の誘発電位は増強されず、むしろ長期抑圧が観察された。また皮質下神経核から海馬への求心線維の通路である脳弓海馬采を破壊した場合、MeA高頻度刺激により歯状回の誘発電位は一過性に増大したがLTPは形成されなかった。これらの結果から、(1) MeA刺激によるLTPの誘導にはNMDA受容体の活性化が必須である、(2) MeA刺激によるLTPの形成に皮質下求心線維が部分的に関与する、(3)MeA刺激は歯状回の誘発電位に対して増強と抑圧の二重の影響を及ぼすことが明らかとなった。MeAは特に性行動に関わることが知られているので、この現象は性行動に関する情動と記憶の関連を研究するよいモデルになると期待された。なお当初計画のうち、視床下部と海馬LTPの関係についての実験は視床下部神経核破壊の条件設定に手間取り期間内に完了できなかったので、現在も継続中である。
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