研究課題/領域番号 |
09780735
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
三澤 日出巳 東京都神経科学総研, 研究員 (80219617)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アセチルコリン / コリンアセチル転移酵素 / アセチルコリントランスポーター / コリン作動性ニューロン / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
コリン作動性神経に必須の機能タンパク質であるコリンアセチル転移酵素(ChAT)とシナプス小胞アセチルコリントランスポーター(VAChT)は、同一の遺伝子座に「入れ子」になってコードされるという、他に例を見ない遺伝子構造をしている。我々は以前にマウスChAT遺伝子の上流領域3.4kbの特異性をトランスジェニックマウスを作出して解析したが、コリン作動性ニューロン特異性は認められなかった。そこで、上流領域をVAChTのopen reading frame(ORF)を含む6.4kbに広げてトランスジェニックマウスを作出した。レポーター遺伝子として用いたβ-ガラクトシターゼの発現はCh1-Ch8にグループ分けされる投射ニューロン群、脳幹と脊髄の運動ニューロンおよび新線条体の局所回路ニューロンの細胞体で検出され、大脳皮質、海馬、扁桃体などの投射領域で終末様の構造が認められた。さらに、このトランスジェニックマウスではwild-typeマウスよりも数倍多いVAChTmRNAの発現が検出されるが、この発現はコリン作動性ニューロンが局在する組織に限られ、異所性の発現は認められなかった。以上の結果は、VAChTのORF(もしくはその近傍)にChATとVAChTのコリン作動性ニューロンでの発現を規定するDNA配列が存在することを示している。本研究で同定したcholinergic-specific promoterは、任意の遺伝子をコリン作動性ニューロンで特異的に発現させたり、Cre/loxP systemを用いて任意の遺伝子をコリン作動性ニューロンのみでノックアウトしたマウス(cholinergic-specific knockout mouse)を作出するために有用なtoolになると期待できる。
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