研究課題/領域番号 |
09780787
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山家 智之 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (70241578)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | インターネット / カオス / フラクタル / リアルタイム / AQ法 / 心内膜自動計測 / 血管運動 / 末梢血管抵抗 / 心内膜 / ネットワーク / イントラネット |
研究概要 |
本研究の目的は、全く新しい循環制御系の診断法の確立を目指して、インターネット回線を介したネットワークによるリアルタイム診断が可能な、心機能のカオス解析システムの完成を期することである。そのためにAQ法による心内膜自動解析により左室内膜の自動解析を行って左室の一回拍出量を求め、その時系列情報を病院内のイントラネットらしくはインターネツト回線でコンピュータに転送し、解析結果を再びネットワーク回線で伝えるリアルタイムの診断システムの開発を試みた。そのために加齢医学研究所附属病院超音波検査室の超音波診断装置の心内膜自動解析によって解析される左室内腔の容量を、時系列曲線として取り出すことができるように、現有の超音波診断装置に改造を加えた。得られた時系列曲線はリアルタイムで、パーソナルコンピュータ内にADコンバータを介して読み込み、1心拍毎のRR間隔と1回拍出量の時系列データに変換するシステムを試作した。このシステムによって、パーソナルコンピュータ内で定量化、統計計算の他、非線形力学を応用したカオス解析が具現化した。更に特筆される研究成果はトノメトリ法にと同時計測することにより末梢血管抵抗のリアルタイム計測が具現化したことであり、心臓支配自律神経と血管運動支配自律神経を独立して解析することが可能になったので、より詳細な循環機能計測、神経機能計測が可能になった。この成果は新聞やテレビなどマスコミにも取り上げられ注目されている。本解析システムにより生体から非侵襲的に、かつ実時間的に左室容量の時系列曲線を得ることができるようになり、多くの興味深い知見が得られた。特に左室のストロークボリュームの時系列変動におけるカオス性が発見され、生体の非線形ダイナミクスを解析する上で非常に興味深いとともに、診断学的な新しい意義も示唆された。本研究によって全く新しい画期的な循環機能、自律神経機能診断法が確立すると同時に、今後膨大なデータ処理が必要になることが自明である医療分野に、インターネットを応用した医療情報処理の新しい方法論が確立されうるものと期待される。
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