研究課題/領域番号 |
09780801
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
桝田 晃司 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (60283420)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 血管弾性 / 超音波断層像 / 心臓 / 動脈 / 弾性係数 / 循環器疾患 / 反射体 / ガウス分布 / コンボリューション / 粘弾性特性 |
研究概要 |
本研究は、超音波断層法の高速度撮影像における血管弾性指標の測定を行い、臨床に応用することを目的としている。前年度は、超音波断層像における心臓または動脈の2次元速度の計算法を開発し、血管内圧変化に対する壁の拡張・収縮速度との相互関係から血管壁粘弾性モデルを構築した。またモデル実験から、その有効性を確認した。ゴムチューブをポンプで拍動させ、円周方向の圧力と歪み速度を測定し、それらの関係から得られる指標がチューブの材質を反映することを示した。 今年度はその理論的裏付けを踏まえ、ボランティアを含む延べ300例以上の頚動脈について血管弾性指標の測定を行った。まずカフ式連続血圧計により次に血管壁の円周方向の圧力と歪み速度の波形を比較し、機械的な入出力関係があることを確認した。よってこれから動脈硬化の指標となりうる弾性係数の算出法を開発した。まず10歳代から80歳代までの120例の健常者において測定したところ、加齢と共に弾性係数は低く、つまり硬くなる傾向を読みとることができた。この時の直線近似の相関係数は0.77で、信頼性は高いと考えられる。また高血圧、糖尿病などの患者間で測定したところ、高血圧の患者については同年代の健常者との違いは明らかではなかったが、糖尿病患者については明らかに同年代の健常者に比べて血管弾性係数は低いことが明らかとなった。これらの結果により、血管弾性と循環器疾患との関係が明らかとなった。
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