研究課題/領域番号 |
09780806
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
井奥 洪二 山口大学, 工学部, 助教授 (60212726)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 生体材料 / 人工骨 / リン酸カルシウム / β-TCP / アパタイト / セラミックス / 多孔体 / βーリン酸三カルシウム |
研究概要 |
生体骨との置換速度を制御した生体活性な吸収性骨充填材料を開発することを目的として、微構造を制御したβ-リン酸三カルシウム(β-Ca_3(PO_4)_2:β-TCP)多孔性材料の作製と生体内評価を行った。この材料は、骨形成に有利な足場を時間の経過につれてより多く供給し、臨床応用可能な範囲を拡げるものと期待できる。 以下に本研究の成果の概要を示す。 1. 0.5μm以下の微細な気孔を多く有するβ-TCP多孔体と微細な気孔をほとんど含まないβ-TCP多孔体を作製した。両試料ともに細胞の進入可能な150〜400μmの貫通気孔を約60%有しており、形状、強度等の諸性質がほとんど同じとなるように独自の方法で作製した。 2. 疑似体液により2種類のβ-TCP多孔体の化学的な変化を調べたところ、両試料には有意な差が認められなかった。 3. 両材料を成熟家兎の大腿骨内に埋入し、材料への新生骨の形成量と材料の吸収される量及び速度を調べた。 新生骨の形成については、2種類のβ-TCP多孔体ともに良好であった。例えば、4週間後には活発な骨形成が認められた。ところが、材料の吸収には顕著な違いが認められた。微細な気孔を多く有するβ-TCP多孔体の生体内で吸収される速度は、微細な気孔を含まないβ-TCP多孔体と比較してきわめて速かった。 4. 生体内の細胞の大きさとは無関係と思われる微細な気孔の制御が、吸収性の骨充填材料を設計する上で重要な要素であることが確認され、今後の材料設計の方向性が示された。
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