研究課題/領域番号 |
09833004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
光生物学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今元 泰 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80263200)
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研究分担者 |
徳永 史生 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80025452)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 蛋白質高次構造 / フーリエ変換赤外分光法 / 異性化 / 吸収スペクトル / 光反応サイクル / プロトン移動 / 中間体 / 光反応 / フーリエ変換赤外分光 / 振動モード / 光反応初期過程 / 同位体ラベル / X線溶液散乱 / フロトン移動 |
研究概要 |
紅色光合成細菌Ectothiorhodospira halophilaに見出された水溶性の光受容蛋白質であるPhotoactive yellow protein(PYP)は、高次構造が高分解能で解明されていることから、生物における光受容メカニズムを原子レベルで解明するために現在最も好適な蛋白質である。しかし、変異蛋白質の発現系がまだできていなかったために、アミノ酸レベルでの研究はさほど進んでいなかった。そこで本研究では、最近われわれが調製法を確立した変異PYPを用い、それらの吸収スペクトルの解析とフーリエ変換赤外分光法(FTIR)による水素結合ネットワークの解析を行った。 1. PYPの発色団は、Glu、Thr、Tyrと水素結合ネットワークを形成し、Argがこのネットワークを安定化している。これらの残基に変異を導入した変異体を作製し、それらのM中間体の崩壊速度を解析したところ、Y42A、E46Qでは野生型よりも速く、Y42F、E46A、T50A、T50V、R52Qでは遅くなった。そのため、各残基の水素結合の強さだけでなく、大きさも中間体の挙動に影響を与えていることが示された。 2. 各中間体における発色団の水酸基とGlu46との間の水素結合の変化をFTIRで解析したところ、B、H、L中間体では水素結合が強くなっていたが、M中間体では水素結合はなくなっていた。そのため、M中間体で大きな構造変化が起こっていることが示唆された。3. トランスクマル酸に光照射し、FTIRによってシスクマル酸に特異的な赤外振動モードを抽出した。次に、PYPの各中間体における差FTIRスペクトルを測定し、シス型に特異的な振動モードが中間体でみられるかどうかを検討したところ、すべての中間体に同様のモードがみられたが、基底状態(暗状態)ではみられなかった。PYPの光反応初期過程がレチナール蛋白質のものと同様、発色団の異性化であることを示している。
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