研究課題/領域番号 |
09834008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
談話(ディスコース)
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
江森 英世 関東学院大学, 工学部, 助教授 (90267526)
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研究分担者 |
森本 明 筑波技術短期大学, 一般教育等, 助手 (60289791)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 聴覚障害児 / 数学教育 / 談話分析 / コミュニケーション / 数学的意味 |
研究概要 |
本研究の目的は,聴覚障害児の数学的意味の構成に及ぼす談話の効果を解明することである.私たちは、この2年間、江森の聴児における数学的意味の構成における談話の効果研究で得られた成果を基に,森本の聴覚障害児における数学的意味の構成に関する研究を手がかりとして,聴覚障害児の数学的意味の構成に関する談話の効果を解明することを試みてきた.これまで、数学教育の分野では、聴覚障害児が数学的概念を学習する際に、談話がどのように機能するのかという問題には、研究者の関心はほとんど払われてこなかった。こうした現状に対して、私たちは、聴覚に障害があるという問題以前に、いかに数学的意味の伝達が困難なものかを健聴者の談話分析より見いだし、健聴者に対する研究で得られた分析枠組みで聴覚障害児の談話を分析するという方法を採ってきた。その結果、健聴者と共通の問題として、聴覚の障害の有無に関わらず、数学的意味の伝達が具体的な操作による間接的な伝達でしか可能ではないという点に、数学的意味の伝達の本質的な難しさが存在するということを指摘することができた。従来の議論では、聴覚に障害があるがゆえに、他者とのコミュニケーションが困難だという捉え方が主流であったが、私たちの研究は、障害の克服という観点から、もう一度、数学的意味の伝達そのものの難しさへと考察を導くことになった。過去2年間の研究は、次年度以降、「聴覚障害児の数学的概念の形成における操作的意味への固執性の克服」という来年度の共同研究へと移行していくことになる。
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