研究課題/領域番号 |
09835014
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
老化(加齢)
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
渡辺 和忠 財団法人 東京都老人総合研究所, 細胞認識, 室長 (70114717)
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研究分担者 |
細矢 博子 財団法人 東京都老人総合研究所, 細胞認識, 研究助手 (00158841)
小林 悟 財団法人 東京都老人総合研究所, 細胞認識, 研究員 (20100117)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | コンタクチン / NB-2 / NB-3 / TAG-1 / 脳虚血 / 接着分子 / 老化 / 免疫グロブリン・スーパーファミリー / 発現変化 / 脳内局在 |
研究概要 |
本研究では、免疫グロブリン・スーパーファミリーに属する神経接着分子のうち、コンタクチン・サブグループ分子群について、調べた。老齢ラットでは若齢ラットに比べてコンタクチンが減少していたが、特に海馬では著しいことを明らかにした。in situハイブリダイゼーション法によりコンタクチンのmRNAレベルでの変化を調べると、海馬の中でもCAl領域での発現が特に減少していた。一方、砂ネズミを用いた脳虚血の実験で、虚血後の海馬でのコンタクチンの発現変化を調べると、CAlの神経細胞死が起きるより、ずっと早くコンタクチンのmRNAが減少していた。このことから、コンタクチンは神経の機能衰退と密接な関連が示唆された。さらに、虚血実験ではCAl領域の細胞死が起きた後、3週間後には逆にコンタクチンが増加していることを見いだした。これは、CA3からの神経細胞が突起を伸ばしているのではないかと考えられた。TAG-1については、新たに新規のスブライシング・アイソフォームを単離しTAG-1tと名付けた。TAG-1が胎児期に多く発現しているのに対し、TAG-1tは生まれた後から発現が強くなることが明らかになった。TAG-1tは免疫グロブリン様ドメインのうち、最初の二つを持つだけで、GPI-アンカーも持たないため細胞外に分泌されて機能するのではないかと考えられる。以上のことから、コンタクチン・サブグループ分子群が出生後および老化の過程における脳の機能に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。NB-2およびNB-3についてはヒトのcDNAを単離して染色体上の位置を決定した。さらに、脳の様々な部位での発現を調べ、他のコンタクチン・サブグループ分子との比較を行った。
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