研究課題/領域番号 |
09836008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫の制御機構
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研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
水野 一也 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学・免疫学研究部門, 副参事研究員 (00219643)
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研究分担者 |
矢倉 英隆 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学・免疫学研究部門, 参事研究員 (60166486)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | チロシンホスファターゼ / チロシンリン酸化 / SHP-1 / SH2領域 / MAPキナーゼ / アポトーシス / B細胞抗原受容体 / シグナル伝達 / SLP-76 |
研究概要 |
今年度は、マウスの未熟B細胞株であるWEHI-231細胞を用いてB細胞抗原受容体(BCR)を介する下流のシグナル伝達経路をSHP-1およびSHP-1結合分子がどのように制御しているのかについて検索し、以下の結果を得た。下流のシグナルとして、細胞増殖、分化、細胞死と密接に関わっているMAPKファミリーに注目した。 (1) 遺伝子導入によりWEHI-231に野生型SHP-1(SHP-1-wt)および酵素活性を欠失させた変異型SHP-1(SHP-1-C/S)を強制発現させ、BCR刺激後に誘導されるMAPKファミリーの活性化の程度を検討した。いずれのSHP-1を発現させてもERK活性化の程度は対照群とほぼ同じであったが、SHP-1発現細胞において活性化がより遷延する傾向を示した。一方、JNKおよびp38については、SHP-1発現細胞で活性化が対照群に比して亢進しており、特にJNKの活性化はSHP-1-C/S発現細胞において非常に強かった。BCR刺激後に誘導されるアポトーシスは、SHP-1-wt発現細胞で最も強く認められた。 (2) SHP-1と会合していることが明らかになったSLP-76を(1)と同様に発現させ、MAPKファミリーの活性化におよぼす影響について検討を加えた。その結果、ERKの活性化が軽度に亢進していた他、大きな変化は認められなかった。しかし、SLP-76のSH2領域に変異を導入した蛋白を発現させた細胞においてBCR刺激後のアポトーシスが著明に抑制されていた。したがって、SLP-76のSH2領域に結合する分子が、アポトーシスの制御に重要な役割を担っている可能性が考えられ、現在この蛋白の同定を進めている。 (3) SHP-1-C/Sを発現させた際に、BCR刺激後にチロシンリン酸化が亢進している蛋白が数種類認められた。これらのうち最も強くリン酸化状態が変化している蛋白をB細胞におけるSHP-1の基質候補として、その性状の解析を進めている。
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