研究概要 |
感応評価のモデル,意思決定過程のモデルなど人間の感性のモデリング手法の開発を目指して,(a)ファジィニューラルネットワークによるモデリング,(b)遺伝的アルゴリズムによるモデリング.(c)免疫システムによるモデリングについて研究を進めた。これらの研究のうち(a),(b)において大きな成果を得ることが出来た。 本研究の主な成果は以下の通りである。 (a) ファジィニューラルネットワークによるモデリング 感性のモデリングにおいて重要なことは、対象の出力に関連の深い入力変数の適切な組み合わせの選択とそれらの入力変数が構成する入力空間の適切な分割を獲得することである。本研究では,ファジィニューラルネットワークと遺伝的アルゴリズムを組み合わせることで適切な入力変数選択を行う手法を開発した。さらに,入力空間の不均等分割法について詳細に検討し,モデルの獲得したルールの明示性を重視した分割法と,モデルの簡潔性を重視した分割法の2つの不均等分割法を提案した。本手法は簡潔と精度のバランスを取れたモデルの同定を可能とする。 (b) 遺伝的アルゴリズムによるモデリング 入力空間に偏在するデータからのモデル獲得を目指して,遺伝的アルゴリズムにより偏在するデ一夕に合わせたファジィルールの同定手法の開発を行った。この手法における問題点として、遺伝的アルゴリズムによることでルール獲得に多大な計算時間がかかることと,得られたファジィルールにおいてはルール毎に入力変数の組み合わせ,メンバーシップ関数の形状が異なり、どのような知識が獲得されたのか把握が困難であることに着目し,遺伝的アルゴリズムによるルール獲得の高速化手法と、獲得されたルールの明示化手法を開発した。本手法はルールの精度の劣化を最小に抑えながら、知識の抽出を可能とする。
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