研究課題/領域番号 |
09838023
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
感性工学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
井須 尚紀 鳥取大学, 工学部, 助教授 (50221073)
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研究分担者 |
清水 忠昭 鳥取大学, 工学部, 助手 (80196518)
菅田 一博 鳥取大学, 工学部, 教授 (80026020)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 動揺病 / 3D映像 / コンピュータグラフィクス / 視運動刺激 / 主観的鉛直 / 前庭系 / 視因性 / 重力 / シネラマ酔 |
研究概要 |
1.大画面の動画像を観ているときに発生する視因性動揺病は、視覚と平衡感覚等との間で生じる回転感覚情報の矛盾が原因となると考えられる。本研究では、動画像の回転軸が視知覚性に生じる主観的な鉛直(視知覚性鉛直)方向および平衡感覚器に受容される重力方向となす角が、視因性動揺病強度に与える影響を検討した。 2.20代前半の健康な男女12名を被験者とした。室内風景を配した仮想空間内で固定軸まわりに回転した時に見られる風景をコンピュータグラフィックスにより作成し、回転軸と視知覚性鉛直方向の異なる9種類の動画像を刺激として用いた。暗室内で140インチスクリーンに動画像を投影し、約3m離れた位置で被験者に正視させた(視野角:水平50°,垂直40°)。1刺激の負荷時間は45秒間とし、各刺激間に15秒間の休憩を設けた。視因性動揺病強度は、連続する2刺激間で一対比較を被験者に行わせ、Thurstoneの比較判断則(case V)に従って距離尺度化した。試行数は1被験者あたり210対(1回の実験あたり30対)とした。 3.動画像の回転軸が視知覚性鉛直および重力方向と大きな角をなす程、視因性動揺病強度は増強した。動揺病強度の尺度値(MS)を、動画像回転角速度の垂直回転成分(OK'h)、視知覚性鉛直方向の回転の角速度(SV')および角加速度(SV")によって重回帰分析すると、MS=0.45OK'h+0.73SV'+0.19SV"+MS。(ただし、MS_0は定数)が得られた。この結果は、視知覚性鉛直方向の回転が視因性動揺病の発生に強く関与することを示唆している。視因性動揺病の誘起には、視覚と平衡感覚等の間の回転(角速度)感覚の矛盾に加えて、鉛直方向(直線加速度)の感覚矛盾が重要な要因になると考えられる。
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