研究概要 |
本研究は、「感性ワード」で表される評価対象に対する心理量を定量的に分析する手法を提案し,評価実験によって得られた大量のデータを提案法によって分析することを目的としている. 平成9年度には,心理量の定量化として一対比較データを用いた射影追跡回帰手法および射影追跡ID3を提案し,コンピュータディスプレイ上に表示される縞模様に対する感性ワード(「派手」「地味」)に関する心理量を分析した.また、評価対象に心理量の評価実験データをインターネット上で収集するためのjava言語によるアンケート収集システムやデータ処理プログラムの開発,およびデータ収集のための予備実験を行った.平成10年度にはインターネットを利用して収集した大量データを分析するために,データを楕円状クラスターに分割する新たなクラスタリング手法を開発した.また,クラスタリングと射影追跡回帰分析を同時に行うことのできる手法を開発した.そして,開発した回帰分析法を用いて収集した感性ワードに対する心理量と評価対象の構成要素との関係を分析した.平成11年度には,より抽象度の高い対象として日の丸を抽象化したCI(Corporate Identity)シンボルマークを取り上げ,提案した心理量の分析手法を用いて分析を行った. 約250人の青年男女を被験者として収集した感性データを提案手法によって分析を行った結果,感性ワードで表される心理量の特徴を被験者の平均的な特徴として抽出できることを確認した.
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