研究課題/領域番号 |
09839014
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
自然史科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
八木 孝司 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80182301)
|
研究分担者 |
荒谷 邦雄 京都大学, 人間・環境学研究科, 助手 (10263138)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 分子系統学 / 分子進化 / ミトコンドリア / ND5 / チョウ / チョウ目 / アゲハチョウ |
研究概要 |
1.日本産アゲハチョウ科は単系統であり、ND5系統樹は形態による分類や食性から考えられる進化の道筋と矛盾しない。 2.カラスアゲハ亜属各種は大きく2つの系統に分けられる。一方にはミヤマカラスアゲハ、シナカラスアゲハ、タカネクジャクアゲハ、オオクジャクアゲハ、ホッポアゲハ、ルリモンアゲハ、カルナルリモンアゲハが含まれる。他方にはカラスアゲハ、クジャクアゲハ、ルソンカラスアゲハ、ミンドロカラスアゲハ、タイワンカラスアゲハが含まれる。 3.カラスアゲハとミヤマカラスアゲハ、ルリモンアゲハとクジャクアゲハ、ホッポアゲハ♀とフィリピンのルソンカラスアゲハ♀などはそれぞれ翅紋が良く似ているが、別の系統に属し平行進化現象を呈する。 4.カラスアゲハは大きく4つの系統に分けられる。それらは台湾亜種・中国大陸南部亜種、八重山諸島亜種、奄美亜種・沖縄亜種、朝鮮・日本列島亜種、トカラ列島亜種、八丈島亜種であり、これら4系統の塩基配列の違いは、種差に匹敵するほど大きい。八重山諸島と奄美・沖縄のカラスアゲハは琉球列島が大陸から分離した時に隔離されたと考えられる。 5.韓国・対馬・日本本土・サハリン産、トカラ列島産、八丈島産のカラスアゲハは別亜種とされるにもかかわらず、塩基配列が全く同じであり、最近(氷河時代)朝鮮半島からトカラ海峡以北に分布を広げたものと推測される。 6.クジャクアゲハとカラスアゲハ、シナカラスアゲハとミヤマカラスアゲハは、塩基配列に違いがなく、それらは同種であることを強く示唆する。 7.ヒメウスバシロチョウの北海道・サハリン産と大陸産とは塩基配列が大きく異なる。ウスバシロチョウの日本産と中国産とは大きく異なる。日本産の両種は日本列島成立時に隔離されたと考えられる。
|