研究概要 |
地球規模の環境変動に対する植生の応答を明らかにする一つのアプローチとして,人工衛星のデータから得られるGVI(植生指標、緑の豊富さ、あるいは植物の活性度の指標)と数値地図化された気候データから得られる水文気候指標を求め,全球規模および垂直変化の顕著な富士山周辺でで気候と植物の季節変化の対応を分析した。具体的な作業として以下のような開発・解析を行い成果を得た。 1)必要なラスタ型データ処理システムのC言語プログラムを新たに開発した。 2)植生の季節変化を支配している実蒸発散量を推定するモデルを構築した。また、土壌貯留量・積雪貯留量を組み込んだ月値による水収支モデル式から,各月の実蒸発散量を計算した。 3)GVI(植生指標)の季節変化(フェノロジーの指標)と月実蒸発量推定値の時空相関分析を行ったところ、極めて良好な空間相関が得られ,モデル式および仮定した係数が妥当であることを定量的に確認した。 4)季節的に連続な,1992年から1997年の6年間に撮影されたJERS-1とLANDSAT-5,合計15枚の衛星画像から,富士山全域における積雪域と植生の季節変化を検出し,DEM及び気象データを用いた解析を行った。その結果,植生帯ごとの季節変化時の気温分布の差異が定量的に示された。 5)成果を下記URLに掲載した。また、学術雑誌への投稿や学会発表を行った。 http://www.lapgis.chs.nihon-u.ac.jp/nogami/ChitekiProj/index.html
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