研究課題/領域番号 |
09839041
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
自然史科学
|
研究機関 | 国立科学博物館 |
研究代表者 |
斎藤 靖二 国立科学博物館, 地学研究部, 部長 (00000133)
|
研究分担者 |
谷村 好洋 国立科学博物館, 地学研究部, 室長 (80141985)
松原 聰 国立科学博物館, 地学研究部, 室長 (40000137)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 層状チャート / 珪質頁岩 / 生物源シリカ / 放散虫 / 珪藻 / 海洋大循環系 / 珪質堆積岩 / チャート / 硬質頁岩 / ポーセラナイト / 珪藻土 / シリカ収支 |
研究概要 |
シリカに著しく富む堆積岩についた、古海洋環境復元に関連して検討した。その種の岩石は環太平洋造山地帯に特徴的にみられ、本邦においては、中・古生界の層状チャートや新第三紀のいわゆる硬質頁岩とよばれる珪藻土が代表的なものである。それらの構成物質のほとんどは、放散虫骨格や珪質海綿の骨針や珪藻殻といった微化石であり、陸源の粗粒な砕屑物質をふくまないという特徴がある。こうしたことは、それらが生物源の堆積物であって、遠洋性あるいは半遠洋性環境下で形成されたことを示している。そして、それらの珪質生物群集は、海洋の水塊の性質の推定とグローバルな海洋大循環の復元にとって重要な意味をもっている。一般に放散虫軟泥は赤道地域に、珪藻軟泥は高緯度地域に典型的とされる現世堆積物の分布状況と、地質時代の復元される大陸配置と予想される古海流系から、それぞれの生物源シリカ堆積岩と古海洋環境との関係は以下のように推定される。三畳紀からジュラ紀初期の層状チャートは、超大洋パンサラッサの南北半球にあった大きな旋回流の赤道域における高い生物生産量を示唆するもので、白亜紀の層状チャートは超大陸の分裂で南北大陸を分断して誕生したテチス海を通る赤道循環流を代表するものと解釈される。一方、中新世の珪質頁岩は北方からの海流の影響のものと表層水の透光帯で形成されたもので、現在のような海洋の大循環系が成立していたことを示唆する。つまり周南極海流(南極環流)の成立によって寒冷化し、大陸氷床が拡大安定化して、中緯度における亜熱帯流や亜寒帯環流が形成されていたことを反映していると考えられるものである。
|