研究課題/領域番号 |
09871007
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
倫理学
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
小林 進 立教大学, チャプレン室・チャプレン (30291735)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 初め / 直線的な読み / 編集の兆候 / 淫行 / 引喩 / 結婚 / ホセア書1-3章 / ホセアの結婚 / G.A.Yee / H.W.Wolff / 申命記史家 / 伝承史研究 / 結集史研究 / 「初め」(テフィラー) / 編集史的研究 / 編集批判 / ホセア書の特質 / 文書化 / 読み手ないしは受け手 / 語り手 / 預言文学の最終形態 / 編集プロセス |
研究概要 |
ホセア書1章1節の表題に続く2節冒頭に「主がホセアに語られたことの初め」という表現が見られる。この表現中の「初め」(ヘブル語でtehilath,〓〓〓〓)という言葉こそは、ホセア書全体を理解するうえで神のホセアに対する最初の語りが決定的な重要性を持っているということを暗に主張している。もしこのようにホセア書を直接的に(linear)読みはじめるならば、我々はホセア書冒頭のこの一語のなかにホセア書編集の筆の最初の兆候を見て取れるのである。では、その神の最初の語りとは何か。それはなかんずく2節後半で語られるディブラムの娘ゴメルとの結婚である。しかもこの女性には「淫行の女」(〓〓〓〓〓〓 〓〓〓)という表現が用いられ、更に間髪をいれず、この結婚後に誕生するであろう子供たちも「淫行の子ら」(〓〓〓〓〓〓 〓〓〓〓)と表現される。従って2節後半で開陳される神の最初の語りは必然的に4節における第一子の「イズレエル」(〓〓〓〓〓〓)の命名、6節における第二子「ロ・ルハマ」(〓〓〓〓 〓〓)、そして8節における第三子「ロ・アンミ」(〓〓〓 〓〓)の命名までを射程におさめているのである。この結婚の記事が実は引喩(metaphor)の機能を担っていることは、2節の最後「なぜなら、この地は主から離れ、淫行にふけっているから」という表現によって明らかである。では、続く2-3章とどう関係し、またホセアの体験そのものから生まれたのかどうかの考察が今後の課題となる。
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