研究課題/領域番号 |
09871031
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
藤原 武弘 関西学院大学, 社会学部, 教授 (20033706)
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研究分担者 |
荻野 昌弘 関西学院大学, 社会学部, 助教授 (90224138)
宮原 浩二郎 関西学院大学, 社会学部, 教授 (10200198)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 自己過程 / 巡礼行動 / 聖地 |
研究概要 |
本研究では、聖地を巡礼する行動を自己過程の変容という視座から社会心理学の方法を用いて明らかにした。主に調査対象となった巡礼は、日本の四国八十八ヵ所遍路とスペインのサンチャゴ・デ・コンボステラ巡礼であった。また、フランスのルルド巡礼、ポルトガルのファティマ巡礼、そしてスペインのアンダルシア地方のエル・ロッシオ巡礼も考察の対象として取り上げた。 1 文献的研究 歴史的、比較文化的視点から、各巡礼行動の類似点としては、巡礼が自己にとっての自己認識の実存的行為であること、巡礼にも個人の思想発達に対応した、美学的、倫理的、宗教的の三つのタイプがあること、相違点としては、日本も含めた東洋の巡礼行動の形態は、循環型、西洋の巡礼は往復型が多いことが明らかになった。 2 巡礼行動による自己過程の変容を質問紙調査でもって明らかにした。 調査対象者は四国八十八ヵ所遍路者184名。 調査内容 巡礼者のデモグラフィック要因(性、年齢、職業、居住地、健康状態) 巡礼の心理的側面(巡礼の回数、動機、巡礼の効用、巡礼中の心理・生理状態、宗教に対する態度、自己意識)。その結果、巡礼の効用として自己の「イキイキ感」の増大や「イラオド感」の減少等、興味ある結果が得られた。 3 巡礼者の深層をインタビュー法で明らにした。 面接対象者 四国八十八ヵ所の巡礼者のうち、僧籍にある徒歩巡礼者7名。その結果、巡礼期間中の時間的変容軸で、宗教心を深めた人と一個人として自己を探求した人という分類が可能となった。 4 巡礼行動の次元として、個人的-集団的、父性的-母性的、自己完結的一手段的の三つが主要な軸であることが明らかになり、種々の巡礼行動を社会心理学的な観点から分類することが可能となった。
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