研究課題/領域番号 |
09871059
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 健之介 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10000613)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | キリスト教 / ロシアと日本 / 明治時代 / 正教会 / ニコライ / ニコライ堂 |
研究概要 |
1. 九州の鹿児島、人吉、四国の徳島、松山、東海地方の修善寺、関東の蕪里など、主として戦災に遭っていない土地の正教会を訪ね、さまざまな明治期の正教徒に関する文献資料を集めることができた.明治期正教会信徒の事実を伝える基礎的文献が、関東大震災と東京大空襲の後の東京のニコライ堂ではなく、地方の正教会に残っているということを確信した. また、知多半島半田市の半田図書館には、望月鼓堂旧所蔵の文献が収められていることもわかった.大阪茨木市の梅花学園には中井終子の膨大な日記が保管されていた.いずれも明治期正教会の実態を知るに有益な資料である.(時間はかかったが両文献の複写を行なった.)子孫や縁者が公的機関に奇贈したこうした資料はまだあるかもしれない.それをこれから探索していかねばならない. 2. 収集した文献から明治期正教徒の名前(聖名も)を拾い出し、生年月日などを確認し、それらのデータを学生たち手をかりてコンピューターに入力していく作業を行なった.これはなかなか時間のかかる作業であるが、しかし、すでに2000人をこえる人名をつきとめた.これまで見えてこなかった日本人正教徒(明治期の信徒総数は約3万といわれている)の集団が少しずつ姿を現わしてきていると感じる. 3. 収集した資料を土台として、「ニコライ堂と明治の女性たち」の執筆を続けた.正教会ではただ一人有名だった翻訳家瀬沼郁子の人生の、これまで覆われていた真相も明らかにすることができた.
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