研究課題/領域番号 |
09871075
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
辻 昌宏 明治大学, 経営学部, 助教授 (00188533)
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研究分担者 |
辻 昌宏 明治大学, 経営学部, 助教授 (00188533)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | premodernism / imagism / crepuscolari / Gian Pietro Lucini / John Gray / 黄昏派 / デカダンス派 / ブルジョワジー / コラッツィーニ / パスコリ / プレ・モダニズム / 未来派 / 表現主義 / デカデンティズモ / モダニズム / エルメティズモ |
研究概要 |
イギリスとイタリアにおける世紀末は、文学の世界においては頽廃的な雰囲気が濃厚で、詩のジャンルではロマン派以来の詩法が限界に達し、閉塞的状況となっていた。それを打開しようとして新たなものを試みようとし、結果としてはそれを達成しえなかったグループが、イタリアではCorazziniらのcrespucolariであり、イギリスではLionel JohnsonやErnest Dowsonであるが、その仲間として今までほとんど忘却されていたJohn Grayにももっと関心が払われるべきであると考えた。Symondsとともに、彼の翻訳によってフランス象徴派の成果がイギリス詩の世界に大きな影響をもたらした点を見逃してはなるまい。また、ヨーロッパを見ると、世紀末の閉塞的状況は、単に文学に限ったものではなく、大不況という社会的・経済的条件と切り離せぬものであることが判った。こうした文化と社会・経済の相関関係に、もっと注目していくことで、モダニズムに至る過程への理解が深まっていくと思われるので、この点はさらに丹念に調べたい。こうした世紀末の行き詰まりを打開するには、破壊的なインパクトをもった創造的行為という逆説的な運動が必要とされたのであり、それが、イギリスではImagismであり、イタリアにおいてはfuturismoであったと考える。イタリアでは特に最近Gian Pietro Luciniの自由詩が再評価されているが、これは彼の詩が19世紀のイタリア詩と20世紀のイタリア詩の橋渡しの役割を果たしているとみなしうるからであり、その意味でfuturismoの成果とともに、彼の詩行をもpremodernismの一部に含めることが可能であると考えている。
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