研究概要 |
研究代表者酒井文雄は尖点のみを持つ平面有理曲線の研究を進めた.d次尖点有理曲線Cで尖点の最大重複度がd-2であり,尖点の個数が高々2個の場合の分類と構成を考察した.これらの曲線の定義方程式を数式処理を用いて求めた.どの場合にも,これらの尖点有理曲線は特別な3次曲線からクレモナ変換で得られることがわかる.したがって,クレモナ変換の逆変換を具体的に多項式で表して元の3次曲線の方程式に代入するという方法によって,求める曲線の定義方程式を計算した.結果は現在投稿中の論文"Rational cuspidal curves of type(d,d-2)with oneor two cusps"にまとめられている.第二には,平面曲線の特異点の総ミルナー数の評価に関する研究である.研究対象は単純特異点のみをもつ奇数次の平面曲線である.そのため,まず,素数次の巡回被覆のベッチ数に関するザリスキー型の定理を可約曲線の場合に拡張し,その結果を応用する.この過程で巡回被覆曲面の特異点の不変量の複雑な計算が必要になり,数式処理を用いて計算した.直線と組み合わせた偶数次曲線で分岐する2重巡回被覆に上記のザリスキー型の定理を適用することで総ミルナー数の評価式が得られる.結果については準備中の論文にまとめる予定である.
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