研究分担者 |
宮井 秋男 岩手大学, 教育学部, 助手 (70003960)
川田 浩一 岩手大学, 教育学部, 講師 (70271830)
小宮山 晴夫 岩手大学, 教育学部, 講師 (90042762)
中嶋 文雄 岩手大学, 教育学部, 教授 (20004484)
沼田 稔 岩手大学, 教育学部, 教授 (50028255)
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研究概要 |
コンパクト多様体M上に余次元1葉層Fがあるとき,(M,F)に有向グラフGをある意味で一意的に対応させることが出来る.更に,得られたGをMに「うまく」埋め込むことができ,これによりMとGの幾何学的な情報を対応させることができる.例えば,GからMへの埋め込みから誘導される基本群の準同型写像は1対1になることがわかる.これと,良く知られたNovikovのコンパクト葉の存在定理から,3次元球面上の滑らかな余次元1葉層に対応するグラフは全てTreeになっていることがわかる.また,逆に,任意の有限な有向グラフGに対して,それに上記のような関係にある余次元1の葉層構造(M,F)を構成することが出来る.従って,GからMへの「うまい」埋め込みを通して,多様体M上のいろいろな概念をGに導入することが可能になる.今回の研究では,(M,F)の平均曲率関数に関した部分について特に詳しく調べてみた.これにより,以前定義した,有向グラフ上の「許容関数」と葉層化多様体上の「許容関数」は基本的には同じ事が示された.その過程で,多様体のリーマン計量,関数,体積要素,境界,(+)-fcd等の概念を有向グラフ上の概念に移し変えることができた.これによって,最近グラフ理論の中で活発に研究されている,所謂,ラプラシアンについてももう少し精密化できて,境界作用素の双対としてのコバウンダリ-作用素の定義や,それに伴って,Stokesの公式タイプのものも得ることが出来た.以上のような結果については,現在論文としてまとめ,投稿中である.これらの結果を実際に有効グラフに応用することについては,残念ながらまだこれという結果は得ていない.
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