研究概要 |
1997年から1998年にかけては,次の研究テーマを主題に行なった. (1) 4次元空間のYang-Mills gradient flowと3次元空間のYang-Mills-Higgs gradient flowの研究. (2) 変形量子化問題と非可環幾何学 (3) 無限次元空間における無限次元リー群の作用によるオービットの幾何学的性質 (1)については,4次元コンパクト多様体の Yang-Mills qradient flowについて,チャーン数に近い初期データを与えることでその滑らかな解が大域的に存在することを示した.また,3次元空間のYang-Mills-Higgs qradient flowについては,その弱大域解の存在を与えられることがわかった. (2)については,特に接触多様体の変形量子化問題とそのレダクションの方法について研究を行なった. (3)についてはコンパクト多様体のリーマン計量の空間に作用する微分同型群(無限次元リー群)のオービットに対する平均曲率の定式化とその応用について研究を行なった. これらの研究は萌芽研究として申請した,非可換微分幾何学の構築において基礎となる成果をあげることができた.そして,その成果はこの2年間の間に行なわれた,国内の研究集会,国際研究集会で発表や討議を行ない,これから先に非可換微分幾何学の展開に向けて,大きな成果をあげた.さらなる成果は,近い将来に出版される予定である.
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