研究概要 |
確立積分の基本に立ち帰り,Brown運動,ホワイトノイズに沿う積分の原理を追求した。Wiener積分を萌芽として,伊藤清氏によりBrown運動の道に沿う確立積分が1945年ころ完全に定義された。しかし,その被積分関数は与えられたフィルタリングに関して適合している必要があった。この条件から,被積分関数を解放して,未来に関する情報を取り入れた確立積分の必要性があり,複素化することにより,このような目的に合う積分を定義することができた。更に伊藤積分に関する公式をよりふつうの積分に近い複素化した公式から比較的簡単に定義できることが判明した。昨年度の研究成果に新しくランダムフィールドにおける確立積分についても同様のことが期待される段階に達している。更に、この積分に関して改めてフィルタリングの構造を決定することを目指して研究を続けている。
|