研究課題/領域番号 |
09874096
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
矢内 桂三 岩手大学, 工学部, 教授 (40004494)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 田沢湖 / メテオライト / インパクト クレーター / インパクタイト / シャッターコーン / 衝突球粒 / 衝撃石英 / オデッサ・クレーター / オデッサクレーター / クレーター / インパクト / 隕石 |
研究概要 |
田沢湖は海抜249m、水深423m(湖底は海抜-174m)の巨大なサークル状凹地である。田沢湖の成因(起源)は今だ謎のままであるが、次の4つの可能性が考えられる。つまり(1)噴火口(火山噴火による火口湖)説、(2)構造的陥没湖説、(3)隕石衝突孔(メテオライト インパクト クレーター)説、(4)その他の説である。初年度と次年度は湖岸域から、多数の岩石資料を採取し顕微鏡により観察した。また、秋田大学工学資源学部に保管されている数個の湖底からドレッジされた貴重な岩石を含む大量の岩石サンプルについても検討してきた。しかし、隕石衝突による特異な岩石種(角礫岩やシャッターコーンなど)はまだ確認できていない。また、この間に国外の隕石衝突孔(米国のオデッサ・クレーター)などを現地調査し、田沢湖と比較検討を行ってきた。隕石衝突時の衝撃によって隕石孔から大量の物質を放出する例が国外には多く知られている。このため本研究の最終年は田沢湖の外側数キロ地点までの野外地質調査を実施し、多くの試料を採集し顕微鏡により観察した。しかし、この地域に於ても衝突によると思われる現象は今のところ確認できていなし、衝突起源の岩石サンプルも得られていない。田沢湖の成因については(1)の噴火口説は地質学的に否定されているし、(2)陥没湖説もサークル状に400m以上も陥没することが可能なのかどうか疑問である。(3)の巨大隕石衝突の可能性を一番に考えたいが、今だ確かな証拠は得られていない。もしかしたら、第4の説(いわゆる伝説)がこれからも続くのかもしれないが、一片のインパクタイト(衝撃石英や衝突球粒などの衝突起源物質)の発見が、田沢湖を日本初の隕石衝突孔にするはずである。今後も湖底からの岩石採集や周辺地域の詳細な野外地質調査等を続けなければならない。
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