研究課題/領域番号 |
09874142
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 光 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90195800)
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研究分担者 |
加藤 博雄 弘前大学, 理学部, 助教授 (20152738)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | X線光電子分光法 / 四塩化炭素 / アセトニトリル / 液体 / 終状態安定化 / シリコン / 界面準位 / MOS |
研究概要 |
1. 固体薄膜と基板の間に四塩化炭素、アセトニトリルなどの蒸気圧の高い液体を閉じ込め、これらの液体のx線光電子スペクトルを観測した。基板として金とシリコンを用いた。これらの基板を超高真空中で77Kに冷却し、西塩化炭素またはアセトニトリルの蒸気を露出しその上にイオンクラスタービーム蒸着法で金を蒸着し、その後室温まで昇温した。高分解能走査電子鏡写真の観測から、金は直径約60nmの半球状の形状で基板上に存在することがわかった。四塩化炭素を固体内に閉じ込めた場合、Cl_8とCl2pピークの強度比からその原子数比は約1:4となりCCl_4の状態で存在することが分った。金薄膜を堆積した後で四塩化炭素を露出した試料ではCl2pピークは観測されず、前述したCl2pピークは化学吸着によるものではなく、金薄膜と基板の間に閉じ込められた四塩化炭素液体であることが確認できた。また、液体の厚さは約4nmと計算された。約1nmのSiO_2膜が存在するシリコン基板を用いた場合、金基板を用いた場含に比較して四塩化炭素に起因するすべてのXPSピークは約0.5eV高エネルギー側に観測された。゚これは、光電子放出に伴い生成するホールがSiO_2膜の存在によりシリコン基板に移動することが妨害されたためにチャージングが起こった結果と結論した。 2. 金属-酸化物-半導体(MOS)構造は上記の試料の液体部分を酸化膜に置き換えた構造をもっている。<白金/SiO_2/Si>MOS構造のSiO_2/Si界面に存在するSiのバンドギャップ内の界面準位のエネルギー分布を我々が開発した新しい方法“バイアス電圧印加時のXPS測定"によって観測した。シリコンをKCN水溶液に浸しその後沸騰水で洗浄するシアン処理によって界面準位密度が大幅に低減することを見出した。界面準位密度が低減する原因を、シリコンダングリングボンドにCN^-イオンが選択的に結合してSi-CN結合を形成するためであると結論した。また、Si-CN結合は可視・紫外光照射に対して安定であることを見出した。
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